コラム製造業

今後の日本の製造業のあるべき姿について ~ネクスシング 代表 山田太郎~

今後の日本の製造業のあるべき姿について。製造業の改革を数百社指導。国会議員も歴任したネクスシング代表の山田太郎が、今後の日本の製造業の向かうべき方向性についてメッセージします。現在の製造業が置かれている状況は?グローバルの動きはどうなっているのか?現在の製造業が向かうべき方向性は?各社が対応すべき3つの戦略とは?IoTは製造業の何を解決するのか?についてメッセージします。

 

現在の製造業が置かれている状況は?

 

製造業の課題①:少量多品種の問題

今、多くの製造業が抱えている問題は、少量多品種の問題。
特に90年代に入ってから、日本の製造業はグローバルにものづくりをし始めた。各地域別の仕向け地向けの製品によってそれぞれのスペックが違ってきている。一つ一つの製品が違う状況で、どのように量産効果も含めて対応していくか?問題になっている。

製造業の課題②:変化への対応

もう一つは変化への対応。今までのように大きなロットで日本のものは売れない。今まで電子メーカー等でも1万個で作ってたものを、100個でも対応できるように求められてきている。これらに対して、日本の製造業の仕組みの中で、小ロットでもきちんと利益が出せるようにしてくためにどうしたらよいかといった課題を抱えている。

製造業の課題③:グローバルマスへの対応

グローバルマスへものが出せるかどうかが大きなポイントになってきている。

BRICsと言われる、中国、インド、ブラジル等の国々が2000年以降大きな市場となってきている。そこの市場は安くて良いものでないと売れない。日本のこれまでの複雑で難しくて技術さえ高ければ売れた、というところから脱却して、安くて良いものを作れるかどうか?

これらが今日本の製造業がおかれた課題であり、クリアすべきポイントなのではないかと思っている。

 

グローバルの動きはどうなっているのか?

 

各国、自国の強みを探っている

各国はそれぞれのポジション、どこが自国の強みかということを探っている。例えば日本はこれまで、ものづくりは上流の設計開発から、製造、加工、組立、販売、ブランド作り、全部を網羅していた。例えば中国での組立を得意とするが、なかなか中国に対してコストでは戦えない。韓国もLG,サムスンをはじめ、ブランドをつけてきている。中国も当然資源を抑えている。この中で日本のものづくりに対して、中国、韓国のものづくりが特徴を持ち始めてきている。これが今のグローバルの動きである。
特にグローバルマスという一番売れる市場、中国、インドのような人口や市場が多いところに対して、どうやってその市場をとっていくのか?
各先進国は今までハイスペックなものを作ってきた。これをスペックダウン、その地域に合わせて安くて良いものをつくらなければいけない。という形にグローバルの動きは変わってきている。

日本はスペックダウン、マッチスペックへの対応が必要

ただ、日本は残念ながらスペックダウンは品質低下というふうになってしまう傾向がある。いち早く日本はスペックダウン、および、その地域毎のマッチスペックへ対応していけることを目指してものをつくれるようにならなければ、グローバルの動きへ対応していけないだろうと考えている。

 

現在の製造業が向かうべき方向性は?

 

日本の製造業は、グローバルの動きとIoTの流れに乗れ!

世界的な動きとしては、IoTの動きに日本のものづくりも乗っていくことが重要。IoTには二つの意味合いがある。

IoTの流れ①:スーパーハイウェイ構想

一つ目の流れは、スーパーハイウェイ構想である。
例えばドイツが提唱しているインダストリー4.0。国家をあげてそれぞれものづくりの決まり、規約をつくっていく。それに合わせていけば、例えば図面やデータ等の違いで今まで取引コストがかかっていたが、その情報スーパーハイウェイに合わせていけば取引がし易くなる。こういったことをインフラとしてつくっていく動き。

IoTの流れ②:「クラウド:と「ものづくり」の関係と解くべき

すべてのものづくりが「クラウド」そのものだということ。よくIoTの定義は、すべてのものがインターネットで繋がると言われているが、我々はもう少し突き進んで、あらゆる製品、サービスはクラウド提供になっていく。それと「ものづくり」との関係をどのように解いていけばよいのか?そのことが日本のIoTに対する対応力であり、市場に求められており日本の製造業が向かうべき方向だと考えている。

各社が対応すべき3つの戦略とは?

各社が向かうべき対応としては、3つの大きな、戦略的なポイントがある。

戦略①:スループットを最大化せよ

利益を確保するために、スループットの最大化をする必要がある。
ロボット、機械、自働化等、効率を高めるための個々の改革を実施するが、工場、工程、企業単位で全体で最低限の人材、設備、材料でどれだけ最大なものがつくれるか?そこを目指さないと、結局ボトルネックに振り回されて、スループットが上がらないということになると、改善、改革は逆にコスト増になる。

戦略②:アセットを最小化せよ

逆にアセットは小さくすることが大切。
世界で変化が激しくなってきている。売れていたものが突然売れなくなる。また、新しいものが出てきて売れてしまう。そうなると投資してきた設備等のコストが回収できなくなる。アセットを出来るだけ最小で企画できれば、リスクが非常に軽減され、フレキシビリティの高いものづくりが実現する。

戦略③:スペックを最適化せよ

世界中で仕向け地向けに色々なスペックのものを出したい。その時に、各地域に合わせたスペックをどのように最適につくるか?残念ながら日本は高級スペックなものが世界で売れると思っているところがまだ多いが、日本の製品はすごく高い、また逆に複雑で使いにくいと言われている。きちんと仕向け地向けにスペックダウン、マッチスペックを検討し、最適なスペックで製品を出していくことが重要。

上記が日本が向かうべき方向性と考えている。

 

IoTとは?

 

IoTは製造業の何を解決するのか?

IoTはものづくりの2つの問題を解決すると考えている。

IoTが解決する事①:企業間の取引がしやすくなる

現在ものづくりでは、企業同士、企業内の部門間で情報が繋がらないという問題を抱えている。図面が一つ違えば書き方も違う。それを表している部品やユニットも違う。IoTの規約、インダストリー4.0のような日本版の規約で統合すれば、情報スーパーハイウェイがつくれる。それに合わせれば、データを取引する、あるいは、データを合わせるという努力をしなくても、ものづくりができるようになる。

IoTが解決する事②:強みに集中したものづくりへのシフトを可能にする。

あらゆるものが情報を使ってものづくりをしていこう。また、サービス業もものづくりもクラウド化している。例えばオーディオ企業を例にあげると、今まではアンプをつくり、スピーカーをつくり、レコード針をつくり様々な部品を提供することがオーディオ機器のメーカーの在り方だと思われてきた。
しかし今は、スマホ等クラウドで音楽が提供されるようになってきた。どこにメーカーが注力するのか?と考えると、スピーカーや画面というアナログの部分に集中する。それ以外はすべてクラウドで提供するようになる。そうなると「インターネット」を「もの」の関係は非常に深くなっていく。

IoTでこれからのサービスは提供される。また、IoTの規約によってものづくりは変わっていく。これが今後の製造業の在り方であり、IoTが製造業のものづくりを解決することである。

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ネクスシング株式会社 代表取締役 山田太郎の経歴

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